登山やトレイルランニングでは、YAMAPやヤマレコ、ジオグラフィカなどのスマホのナビを使っている人が多いと思います。 紙地図は持たずにスマホだけで山に入られる方も多いのではないでしょうか。
スマホは便利なデバイスですが、そもそもアウトドアのアクティビティ専用に設計されているものではありません。冬季の登山、天候の悪化、転倒による破損・故障などで使えなくなってしまう可能性を考えると、危うさを拭い切れませんね。
初心者から中級者以上にアップグレードするためには、やはりトレッキング専用のデバイスを持っておきたいものです。
そこで、この記事ではアウトドアのアクティビティで役立つ専用のデバイスを一覧でご紹介します。
それぞれの機種ごとの特徴も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
トレッキングナビの必要性は?
まず、お手軽なスマホでのナビゲーションについて考えてみましょう。
スマホの場合
メリット:
- 手軽に使える。(今や誰でもが持っているデバイスなので、追加のお金を払わずに使えます)
- 最新の登山地図に対応している。
デメリット:
- 携帯電話圏外で利用するためには、契約内容によってはその都度で地図をダウンロードしておく必要がある。
- 常時画面表示しておくことが難しい。
うっかり他のアプリに変わってしまったり、バッテリーの消費が不安になる。 - グローブをしたままの操作が困難。
- バッテリー消費が早い。
- 動作温度範囲が専用デバイスに比べて狭いため、低温下で使えない、熱暴走の心配がある。
- 専用デバイスと比べて壊れやすい。
思った以上にデメリットが多いですよね?
特に、動作温度範囲は気になるところです。
冬場は低山であっても、あっというまに電池がなくなったり、動作しなくなってしまったり、夏場でも熱暴走してしまうことがあります。
特に極寒の雪山登山などではグローブをつけたままでのスマホの操作は難しく、しかも電源が入らずに使えないケースも考えられます。
極端な周囲温度を避ける。
出典:https://www.apple.com/jp/
Apple製デバイスは、広い周囲温度範囲で正しく動作するように設計されており、最適な範囲は16°C~22°Cです。バッテリー容量に回復不能な損傷を与える可能性があるため、35°Cを超える周囲温度にデバイスをさらさないことが特に重要です。損傷を受けた場合は、そのバッテリーが一回の充電でデバイスを駆動できる時間が通常よりも短くなります。周囲温度が高い場所でデバイスを充電すると、より深刻な損傷を与えることもあるので注意してください。推奨されるバッテリー温度を超えると、ソフトウェアが80%以上の充電を制限する場合もあります。また、高温な環境でのバッテリー保管でさえ、回復できないダメージをバッテリーに与える可能性があります。温度が非常に低い環境でデバイスを使用する場合もバッテリー駆動時間が短くなることがありますが、この状態は一時的なものです。バッテリーの温度が通常の動作範囲内に戻ると、パフォーマンスも通常の状態に戻ります。
iPhone、iPad、iPod、Apple Watchは、0°C〜35°Cの環境下で最も良く動作します。
GPS専用のデバイスの場合
メリット:
- 常時画面表示。
- 直射日光下でも見やすいディスプレイ。
- 電池消費が少ないので一日中使える、機種によっては数日間使える。
- グローブをしたままでも操作可能な機種が多い。
- 頑丈な筐体なので壊れにくい。
- 動作温度範囲が広いので、極寒の雪山から夏場の炎天下でも安心して使える。
- 機種によっては衛星通信機能があるので、携帯圏外でも双方向メッセージやSOSの発信ができる。
デメリット:
- ある程度の値段がするので、導入しづらい。
- ルートを作成して地図に表示するためにはパソコンに接続する必要がある。
- 地図を最新化するにもパソコンに接続する必要がある。
このように専用機ならではの使いやすさ、安心感があります。
アウトドアで使うことを前提に作られているので、常時画面表示、頑丈な筐体、低温下でも動作する動作範囲は重要なポイントです。
おすすめのトレッキング専用デバイス一覧
GARMIN eTrex 22x
- 2.2インチ 40 x 320ディスプレイ
- 日差しの中でも読みやすいカラーディスプレイ
- ルート検索可能な日本詳細地形図2500/25000
- GPS、GLONASS、みちびき(補完)
- 8GB内部メモリ
- microSD™カードスロット
- バッテリー:単三電池を2本搭載したGPSモードで最大25時間
GARMIN eTrex 32x
- 2.2インチ 240 x 320ディスプレイ
- 日差しの中でも読みやすいカラーディスプレイ
- ルート検索可能な日本詳細地形図2500/25000
- GPS、GLONASS、みちびき(補完)
- 8GB内部メモリ
- microSD™カードスロット
- 3軸コンパス
- 気圧高度計機能
- バッテリー:単三電池を2本搭載したGPSモードで最大25時間
GARMIN GPSMAP 66i
- 直射日光下でも見やすい半透過型3インチディスプレイ
- 24時間年中無休の民間救助組織GEOSの国際緊急救助調整センター(IERCC)へインタラクティブにSOS信号を発信
- 日本詳細地形図2500/25000
- マルチGNSS(全球測位衛星システム)
- 気圧高度計
- 電子コンパス
- イリジウム®衛星ネットワークを介した双方向テキストメッセージング。天気情報の受信が可能
(衛星通信契約が必要)。 - Garmin Exploreウェブサイトとアプリに対応
- 標準使用時で最大35時間、GPSトラッキングを30分間隔にするエクスペディションモードで最大200時間稼働する大容量リチウムイオンバッテリー内蔵。
GARMIN GPSMAP 64csx
- 堅牢で耐水性に優れ、グローブをはめたままでも操作しやすいボタン操作設計。直射日光下でも見やすい2.6インチ半透過型65Kカラーディスプレイ採用。
- 日本全国詳細地図2500/25000
- マルチGNSS(GPS/みちびき(補完信号)/GLONASS/Galileo)
- 3軸電子コンパス
- 気圧高度計
- Bluetoothによるスマートフォン連携や対応するANT+各種センサーを接続可能
- ジオタグ付き8MPオートフォーカスカメラ搭載
- 通常使用で最大16時間稼働(NiMHバッテリーパック付属)
GARMIN eTrex® Touch 25J
- 2.6インチカラー静電容量方式タッチスクリーン
- 3軸電子コンパス
- 迅速な衛星測位を可能にするGPS/GLONASS/みちびき(補完信号)
- 日本詳細地形図2500/25000(ルート検索可能)がプレロード済み
- 内蔵メモリ8GB
GARMIN eTrex® Touch 35J
- 複数のアクティビティに最適化されているため、選択して出発するだけ!
- 日本詳細地形図2500/25000がロード済み
- 直射日光下でも見やすい2.6インチカラー静電容量方式のタッチスクリーンディスプレー
- 気圧高度計と3軸電子コンパス
- ジオキャッシュに対応
- ANT+センサーサポートおよびスマートフォン通知
番外
並行輸入版
英語版を購入して日本語化をして使っている人も多いようです。
英語版の並行輸入品は、日本語版に比べてずいぶん安く入手することができます。
ただし、英語版の場合は、“みちびき(補完信号)“が使えないのと、自分でメニューの日本語化、OSMなどの日本地図を入れる必要があります。
販売業者によっては日本語化されたものを販売していることもあるようです。
参考記事: 「GARMIN eTrex30 英語から日本語にする方法」
GARMIN InReach mini 2
こちらはナビゲーションよりも衛星通信をメインにした製品です。
世界中のどこでも空がひらけているところなら、メッセージのやり取りや天気予報を取得できるので安心して冒険に出かけられます。
参考記事:携帯圏外でも低コストで利用できる衛星コミュニケーター Garmin InReach Mini 2 レビュー
GPS専用機を使う時の注意点
GPS専用機を使う場合、以下のことに気をつけましょう。
ほとんどの機種がIPX7相当の防水性です。
雨は平気ですが、海や川で使う場合は防水ケースに入れて使う必要があります。防水性のあるスマホも同様で、IPX7性能では海や川では水没してしまいます。
GPSの電波が届かない場所では電源を切る。
GPS電波を受信できない状態ですと、衛星を探すために電池を消費します。
衛星を探すための電力は思いの外に電池を消費してしまうので、あっという間にバッテリー切れになる可能性があります。
乾電池の予備を携帯する。
ほとんどの機種が乾電池で動くので、前回使ったままの電池で出かけると途中で電池切れとなってしまうこともあります。予備の乾電池を持参しましょう。
再充電できる乾電池を持っておけば、都度で満充電して置けるので便利です。
以上、「登山、トレランで使えるトレッキングナビ(GPS)一覧」でした。