Garmin InReach Mini 2 を購入して、色々とテストしてみました。
Garmin InReach Mini 2 を使用すると、世界中のどこからでもメッセージを送受信できます。
その他にも、天気予報を取得したり、SOS メッセージを送信したりできます。Garmin InReach Mini 2 は、以前の機種の Inreach Mini に比べて、バッテリー性能が大幅に改善されました。GPSはGALILEOに加え「みちびき」の(補完信号)も利用できるようになり、ナビゲーション機能も追加されています。
製品の概要
GARMIN INREACH MINI 2(ガーミン インリーチ ミニ 2)
価格: 52,800円(税込)
特徴:
・検索とレスキュー機能を備えた双方向メッセージング
・携帯電話圏外でも衛星によるメッセージを送受信
・ウルトラライト(100g)
・ポケットに収まる大きさ(小型)
・耐久性のある筐体
・優れたバッテリー性能
・衛星利用にはサブスクリプション契約が別途で必要
主な仕様:
・高感度レシーバー:GPS・Galileo・みちびき(補完信号)
・重量: 100g
・バッテリー稼働時間:最大14日
・防水等級:IPX7
・インターフェース:USB-C
前モデルの Inreach Mini と比べて InReach Mini 2 は、ナビゲーション機能の追加、バッテリー性能の向上、そして充電ポートが USB-C に改善されました。さらに、ランニングウォッチやEDGEシリーズなど他の Garmin デバイスとの接続ができるようになりました。
InReach Mini 2 は、バックパッカー、トレイルランナーなど、バックカントリーで長時間過ごす人にとっての必需品です。防水性があり、一日中バッグの外側に留めたままにしておいても大丈夫な耐久性、そして、携帯電話の電波が届かない場所でもメッセージを送信できます。
重量
Garmin Inreach Mini 2 は、一般のユーザーが利用できる最軽量の衛星メッセージ・ SOS デバイスです。重さは、わずか 100g! どんなアクティビティにでも持ち出せるほど軽量です。
Inreach Mini 2は、機能のほとんどをスマートホンからアクセスできるようにすることで、この超軽量を実現しています。実際に Inreach Mini 2 を使用するには、Bluetooth 機能を備えたスマートホンが必要です。
この軽さで、テキスト メッセージの送受信、現在地の天気予報の確認、ルートの追跡と共有、内蔵コンパスを使用したナビゲーションなどを行うことができるのは驚きです。

携帯しやすさ
inReach Mini 2 は、胸ポケットに収まるほど小さいです。ウィダーインゼリーの約半分のサイズで、どこにでも収まります。ショルダーストラップ、シャツ、ズボンのポケットなど、ちょっとした隙間があればどこにでも収まります。
僕のバッグに入っている他のアイテムと比較すると、InReach Mini 2 は 10,000 mAh のバッテリー、ヘッドランプと同じくらい。
また、バッグの外側に留めるための小さなストラップとカラビナも付いています。

緊急時にすぐに使えるように、バックパックのショルダー ストラップに付属のカラビナで留めたままにしておくと良いでしょう。ショルダーストラップに取り付けるときは、トグル付きのショックコードで固定しておけば、デバイスが顔の近くで跳ね返ることはありません。

値段は高い?
携帯電話の圏外になるような場所へ冒険に出る人は、緊急時に助けを求めるための方法を持っているべきです。
すぐに思いつくのは、衛星電話ですが電話機本体も高価でランニングコストも高いです。それと比較しても、InReach Mini 2 は、機能、重量、サイズのすべてにおいて、見合った価値があると思います。
似たような遭難対策のココヘリはビーコンを発信するだけなので、助けを求めるための方法にはなりえません。
いつでも連絡がとれ、居場所が分かるというのは、家族の安心のためにだけでも、InReach にはそれだけの価値があります
そうは言っても、InReach などの衛星デバイスは高価すぎると考えて、持っていない人は多いと思います。その理由として、InReach Mini 2 は、登山用のザックやシューズよりも高価です。登山装備をゼロから揃えようとする場合、おそらく必要のない小さなデバイスに 5万円も余分に支払うのは躊躇するものです。
さらに、購入するための初期費用だけでなく、使用するにはサブスクリプション料金を支払う必要があります。必要のない月にサブスクリプション サービスを一時停止できる自由プランもありますが、料金は年間プランよりも高くなります。一年中使用する場合は、年間プランの方が費用対効果が高くなります。
しかし、よく考えてみると、近年のスマートホンの価格よりも初期費用は安く、しかも月額料金も携帯電話よりも安い。それで、世界中のどこからでもメッセージを送受信できますし、SOS機能もあると思えば、なんと安上りではないでしょうか。
サブスクリプションには、毎月設定されたメッセージ数があって、最も安価な「セーフティ」プランでは 10 メッセージ、「レクリエーション」プランでは 40 メッセージ、「エクスペディション」プランでは無制限です。
どのプランでも送信数が無制限のプリセット メッセージが送信できます。僕は最も安価な「セーフティ」プランを使用して、プリセットメッセージを使用して家族に定期的にメッセージを送信しています。メッセージには発信した座標の情報を含めることができるので、どの場所にいるのかも知らせることができます。 そしてまた、SOS機能があるのは自分にとっての安心感として心強いものです。
サブスクリプション:
登録手数料: $29.95
サブスクリプション プラン:
機能 | セーフティ | レクリエーション | エクスペディション |
SOS | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
テキストメッセージ* | 10件 ※超える場合$0.50/件 | 40件 ※超える場合$0.50/件 | 無制限 |
プリセットメッセージ | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
トラッキング周期 | 10 分以上 | 10 分以上 | 2 分以上 |
ポイントの追跡/送信 | $0.10 | 無制限 | 無制限 |
位置情報リクエスト | $0.10 | 無制限 | 無制限 |
天気情報(ベーシック) | 1メッセージ/回 | 1メッセージ/回 | 無制限 |
天気情報(プレミアム) | $1.00/(1回) | $1.00/(1回) | $1.00/(1回) |
月額料金 | |||
年間プラン | $11.95/月 | $24.95/月 | $49.95/月 |
自由プラン | $14.95/月 | $34.95/月 | $64.95/月 |
スマートホンとのペアリング
このデバイスは、スマートフォンとBluetoothでシームレスにペアリングしています。最初にペアリングした後は、InReach をペアリングしたままにしておけば良いでしょう。
初期設定は、 explore.garmin.com で、アカウントの作成、プランの選択、デバイスのセットアップを行うことができます。その後で、Garmin Explore アプリをスマートホンにダウンロードし、そこから新しいデバイスを追加するだけです。
元々使っていた GPSMAP 66i から InReach Mini 2 に切り替えたとき、サブスクリプションを古いデバイスから新しいデバイスに移行するのが難しいのではないかと心配していました。ところが、実際にやってみると、プロセスは信じられないほど簡単でした。
参考:「契約中のinReachプランを別デバイスや修理交換品に移行する方法」
アクティベーション
メッセージ送受信、SOS、トラッキング、inReach天気情報などの inReach機能をデバイスで利用するには、デバイスを有効化する必要があります。
その手順は、
- PCまたはスマートフォンで explore.Garmin.com にアクセスして、Garmin Explore アカウントを作成し、いずれかの衛星サブスクリプションプランを有効化します。
- デバイスの電源をオンにします。
- [今すぐ有効化] を選択します。
- 画面に表示される指示に従って操作します。注意:実際にデバイスを使用する前に、デバイスの IMEI番号と認証コードを入力してオンラインで有効化の手続きを完了させる必要があります。
- 上空の開けた屋外に移動します。受信精度を高めるため、デバイスのアンテナを空に向けてください。
- イリジウム衛星ネットワークとの通信が完了するまで待ちます。注意:デバイスの有効化には複数件のメッセージの送受信が必要なため、最大で 20分程度かかる場合があります。有効化が完了するまで、屋外で待機してください。
出典:ガーミン

使いやすさ
InReach Mini 2 は、いままでに GPS デバイスを使用したことがある人であれば、InReach の使用方法は簡単に理解できるでしょう。これまで GPS を使用したことがない場合でも、InReach の操作はとても簡単です。
デバイスのメニューは直感的でシンプルです。デバイスのみを使用して、天気の確認、ナビゲーション、トラッキングの開始、プリセットメッセージの送信を簡単に行うことができます。ただし、カスタム メッセージを送信する場合は、ペアリングしたスマートホンを使用する方がはるかに簡単です。
InReach Mini を使用してカスタム メッセージを送信することはできますが、デバイスが小さすぎてキーパッドがなく、タッチ スクリーンもないため、時間もかかるし面倒です。キーパッドを備えた Garmin GPSMAP66i も使用しましたが、デバイスでのメッセージ作成はせず、Garmin Explore アプリでメッセージを作成していました。
スマートホンのアプリからデバイスを選択すると、天気、トラッキング、SOS発信をデバイスに直接指示できます。

ペアリングした他のガーミンデバイスからも、様々な操作が可能です。

SOS
SOS発信はとても簡単で、SOS 信号を送信する必要がある場合は、カバーを開けてSOSボタンを押すだけです。
SOS ボタンを押すと、24時間体制の緊急時対応センターとメッセージの送受信ができます。メッセージと同時に位置情報も共有されるので安心です。
緊急時には、24時間体制の緊急時対応センターであるGarmin IERCCに、インタラクティブなSOSメッセージを送信することができます1。 研修を受けたスタッフがSOSメッセージへの対応、場所の確認、緊急サービスやその他のスタッフとの連絡を行いサポートします。 Garmin IERCCは、救助されるまで、または救助が不要となるのを確認するまで、お客様と連絡を取り合います。
出典:ガーミン
僕は幸いなことに、いままで InReach で SOS 機能を使う必要はありませんでした。

双方向メッセージング
InReach Mini 2 は、緊急時以外でもメッセージの送受信が可能です。衛星電話ほど便利ではありませんが、はるかに安価で家族との連絡が可能です。また、このデバイスだけでのメッセージ作成は面倒なので、スマートホンの Garmin Explore アプリを使用すると、双方向のメッセージングがはるかに簡単になります。
InReach で送信されるメッセージの長さは、最大 159 文字です。メッセージが文字数制限を超えると、2 つのメッセージに分割され、それぞれのメッセージの送受信に対して課金されます。
プリセットメッセージを設定しておくことをお勧めします。これは、課金されずに無制限で送信することのできるメッセージで explore.garmin.com から事前に3つだけ設定しておくことができます。
メッセージはスマートホンのように即時に送受信されるわけではなく、2〜3分ほど時間がかかるようです。
衛星のカバレッジ
InReach は、グローバルな Iridium® 衛星ネットワークに接続してメッセージを送受信します。空が見える場所にいる限り、これらの衛星を経由してメッセージまたは SOS 信号を送信できます。イリジウム衛星ネットワークは、北極と南極を含む地球全体をカバーしていますが、洞窟、地下、または空がはっきりと見えない場所にいる場合には通信ができません。
トラッキング
トラッキングは、移動した時間や距離、たどったルートを記録します。
デフォルト設定では、10 分ごとに位置データをイリジウム衛星経由で送信できます。送信された位置データは Garmin Exploreのウェブサイトにある MapShareのトラッキングページで確認できます。トラッキング機能はデバイスに記録した軌跡ポイントを使って、道に迷った場合に戻るためのトラックバックルーティングに使用されます。
「標準」と「詳細度:高」モードがあり、標準では軌跡が直線的になりますがバッテリー消費が抑えられ、詳細度:高では、位置情報の記録と軌跡の更新頻度が高くなりますがバッテリーを多く消費します。
位置検索
Garmin Exploreのウェブサイトにある MapShareの検索ページを使うと、InReach の現在位置を検索して特定することもできます。あなたと連絡が取れない場合でも、InReach Mini 2 の電源が入っていて衛星通信が可能であれば、ウェブサイトからあなたの位置を確認することができます。
天気予報
InReach Mini 2 を使用すると、メッセージ 1 回分の料金で 4 日間の天気予報を取得できます。ボタンを押すだけで簡単に取得でき、このデバイスの最も便利な機能の 1 つです。シーカヤックで行った知床の海で、雨や風の予報を知るのには役立ちました。


ナビゲーション
InReach Mini 2 にはコンパスが内蔵されており、デバイス単独で使用してナビゲートできます。詳細な地形図は表示されませんが、以前にアップロードしたルートを表示するか、Explore アプリにアップロードして、そのルートに沿ってナビゲートします。
ナビゲーション中にルートから外れると、デバイスからアラーム音が鳴ります。
Garmin Explore でルートを作成またはインポートすると、デバイスに自動的に同期されます。

防水性
InReach Mini 2 の防水等級は IPX7 です。これは、「一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない」ことを意味します。実際には、これは InReach が雨に濡れることを心配する必要がないという事ですが、InReach を持って泳ぐべきではありません。海や川で利用する場合は、ドライバッグに保管するか、防水ケースに入れる必要があります。
InReach Mini 2 は濡れても問題ありませんが、海や川では防水ケースに入れましょう。

バッテリー
Inreach Mini 2 のバッテリー性能は、かなり優れています。
ガーミンのカタログ情報では、
10分のトラッキング送信間隔とアクティビティ記録「標準」で最大14日
(衛星を受信しにくい環境:最大4日間)10分のトラッキング送信間隔とアクティビティ記録「詳細度:高」で最大5日間
(衛星を受信しにくい環境:最大2日間)30分のトラッキング送信間隔とアクティビティ記録「標準」で最大30日
(衛星を受信しにくい環境:最大10日間)電源オフで1年のバッテリー寿命
出典:ガーミン
となっています。
「詳細度:高」で2日間使用してみましたが、空の開けた場所ではバッテリーはほとんど減らず、1日目の夕方では80%以上残っていて、2日目の夕方でも60%以上ありました。電源を入れたまま衛星電波の届かない自宅の机の引き出しに入れておいたら、翌朝にはゼロになって電源が切れていました。
衛星を受信できる間はかなり消費が少なく、受信できない状態では、あっという間にバッテリーを消費してしまうようです。
デジタルコンパス
InReach Mini 2 には、非常に正確なデジタル コンパスが搭載されています。
移動していない時でも、正確な方角を取得できました。

トラックバック
InReach にはトラックバック機能もあり、来た道を戻るのに役立ちます。この機能を試してみて、外出中にルートをトラッキングし、デバイスを使って元に戻るようにトラックバックを試してみました。この機能を使うと、ルートを外れた時にアラームを鳴らしてくれるので、デバイスの機能としてアラームは役に立ちます。ですが、デバイスの画面には、線でしかルート表示がされないので利用するには慣れが必要です。Explore アプリでルートを見て、そのルートに沿って戻った方が良いでしょう。
InReach mini 2 とのお出かけシミュレーション
InReach mini 2の電源を入れてバックパックのショルダーにつけておきます。
登山口でスマートホンからInReachにトラッキング開始の指示を出します。
すると、InReachはデバイス内部に時間、座標、距離などを記録しながら、10分おきに衛星を通じて位置情報を自動的に発信します。( $0.1 / ポイント)
登山を開始してからすぐに携帯電話は圏外となり、スマートホンを機内モードにしておきます。
そのころ、自宅で待っている家族はガーミンのMapShareサイトから、僕の位置を確認していたようです。
お昼になって、お弁当を食べながらスマートホン経由でInReachからプリセットメッセージを家族に送信しました。「今、ここです」(無料)
すると、「順調に楽しんでいるようだね」と返信メッセージが返って来ました。(10メッセージ/月以内なら無料)
休憩後は足取りも軽く、下山しました。
自宅に着いてMapShareサイトを確認すると、自分の辿った道をトレースしたデータを確認でき、ポイントには、日時、速度、高度、緯度、経度が記録されていました。
もしも、どこかで遭難してしまっていたとしても、このMapShareサイトを見れば、僕がどこにいるかすぐに特定できるでしょう。ココヘリも合わせて持っているので捜索は早いものと思われます。
まとめ
ガーミンのインリーチ ミニ 2 は、携帯電話圏外でも利用できる衛星コミュニケーション デバイス で、しかも、超小型・超計量でランニングコストも衛星電話に比べてはるかに安いものでした。
緊急時のSOS発信だけではなく、それ以外での双方向のメッセージングや、位置情報の共有ができることで自分と家族や仲間がつながる安心感は他では得られないものです。
ソロでの野外活動だけではなく、グループでの活動でも一台は持っておきたいデバイスです。
以上、「携帯圏外でも利用できる衛星コミュニケーター Garmin InReach Mini 2 レビュー」でした。