こんにちは! スクロールです。
今回は、日本三大峡谷のひとつ、三重県にある大杉谷(おおすぎだに)に日帰り登山に行ってきました。
大杉谷は、三重県多気郡大台町を流れる宮川の上流に位置する、吉野熊野国立公園内にある峡谷です。
近畿の秘境とも呼ばれていて、天然記念物(天然保護区域)にも指定されている場所となっています。
※日本三大峡谷(日本三大渓谷)
黒部峡谷(富山県)、清津峡(新潟県)、大杉谷(三重県)
大杉谷の登山道は、三重県側にある宮川第三発電所から、奈良県側にある大台ケ原(日出ヶ岳)までを結ぶ道です。
急峻な断崖に設けられた登山道は、危険個所が多くあり、しかもアップダウンが続きますので、意外にキツく、日帰りなら千尋滝まで、それよりも奥まで歩くなら1~2泊が推奨されています。
そんな大杉谷は、日本一と言われる清流の宮川。手つかずの原生林や巨岩、数多くの滝、吊り橋など、見どころは満載です。
日本の秘境百選にも選ばれている大杉谷はとても魅力的な場所でした。
※大杉谷登山道は携帯電話の電波がまったく届きません。
※大杉谷は全面キャンプ禁止です。
今回のルート
今回は、三重県側にある登山口から歩き始め、桃の木山の家を経由して光滝まで歩き、そこで折り返して登山口に戻るという、一本道の往復でした。
養老山脈トレイルランニングレースで完走できたので、堂倉滝くらいまでは行けそうと踏んで計画しました。行きは4時間をタイムリミットとして、どこまで行けても4時間経過した時点で引き返す計画です。
登山口から桃の木山の家までは、「山と高原地図」のコースタイムでは5時間10分ですが、今回は2時間44分で歩きましたので、コースタイム×0.52といった感じのペースでしょうか。
朝6時に登山口をスタートしてからシシ淵まではノンストップ、シシ渕で10分ほど休憩をしてから、桃の木山の家も立ち寄らず、七ツ釜滝、光滝、そして隠滝まで歩き、そこから堂倉滝まで歩くか迷いましたが、堂倉滝まで行くのは時間が足らないと判断して行くのはやめて、光滝まで戻ってお昼休憩を取りました。
光滝から戻る途中で、キャメルバッグの水分とペットボトルのジュースが無くなったので、桃の木山の家でコーラを一気飲みしてからキャメルバッグに水を2L補給して下山しました。
時間に余裕があったので、帰りはのんびりと何回か休憩を入れながら下山して、午後3時前には登山口に到着しました。
※登山計画は標準のコースタイムとご自身の体力を勘案してしっかりと計画してください。また、大杉谷では携帯電話がまったく使えませんので、軽装備や疲労した状態での登山は危険です。
装備
6月初旬、天気予報は連日晴れ予報で気温も高いため以下の装備で登山しました。
ウェアリング
ヘルメット・長袖Tシャツ・長ズボン・化繊パンツ・指なしグローブ・ウール靴下・登山靴・スパッツ
持ち物
ザック・サコッシュ・インナー用防水バッグ・ココヘリ・スマホ・バッテリー・地図・コンパス・ガーミン(eTrex)・ボールペン・メモ帳・熊鈴・ティッシュ・ビニール袋・手ぬぐい・ヘッドライト・乾電池・応急セット・着替え・カッパ上下・財布・自撮り棒
キャメルバッグ(スポドリ2L)・水500ml・カルピス500ml・SOYJOY 2本、カロリーメイト2本×2、おにぎり3個、サンドイッチ1個
特別な装備
ヒル下がりのジョニー(大杉谷はヤマビルやマムシが多いことで有名なので)
登山口(宮川第三発電所)
登山口までのアクセスは、バスまたはタクシーを推奨されていますが、今回は早朝からスタートして日帰りしたかったので、自家用車で行きました。
深夜に駐車場に止め、仮眠してから朝6時にスタートしました。
第三発電所手前の公衆トイレは一回100円で利用できます。トイレットペーパーも備え付けられており、掃除も行き届いているようです。
トイレの反対側には、タクシーの料金表看板が立てられています。
携帯電話が使えないので、タクシーを呼ぶにはトイレ横に設置された衛星公衆電話を使う必要があります。
公衆トイレ横に設置されている衛星電話は100円玉しか使えませんので100円玉を用意しておくのが無難。
通話料金は1分あたり300円。
入山協力金の支払いと記念品がセットになった自動販売機があります。
入山協力金はぜひ支払いましょう!僕はピンバッジをもらいました。
公衆トイレの向こう側には、山岳遭難事故の防止と、自然保護に関する喚起事項が書かれています。
入山する前にしっかりと読んでおきたいですね。
宮川第三発電所のわきにある通路を歩いていくと、
ちょっとした階段があります。
階段を上るとすぐに登山口のゲートがあります。
ゲートの向こうに見えているのが登山道で、岩盤を削ってくり抜いて作られた崖っぷちの登山道をクサリを掴んで歩いていきます。w
スマホで撮影した動画を参考に貼っておきます。
登山道はまずまずの狭さで、滑らないように注意して歩いていきます。
この場所でも過去に死亡事故が発生しています。
千尋滝
千尋(せんぴろ)滝は、三重県側から入ると最初に現れる滝です。落差135mで、大杉谷にある滝の中で最大の落差があります。第三発電所から日帰りで大杉谷を楽しむ「おすすめコース」の終点にもなります。
登山道には東屋が設置されていて、ここから滝を頭上に眺めることができますよ。
シシ渕(猪ヶ渕)
ここが僕の一番好きな場所です。
奥に流れているのは「ニコニコ滝」で、ここからが絶好のビューポイントです。
河原に降りて水をすくって浴びたり、写真を撮ったりと、ゆっくりと休憩ができます。
透き通ったエメラルド色の渕と、立ちはだかる崖の奥に流れる滝は、神秘的な雰囲気を満喫できます。
シシ渕の水は驚くほどの透明度!!
泳いでいる魚も丸見え!
巨岩の間を通り抜けるように作られた登山道には、上から水が流れてきています!
冷たい!
ニコニコ滝
シシ渕から少し歩くと、近くに見ることができる落差50mのニコニコ滝。
二段の滝だからニコニコ滝だとか?由来は諸説あるらしいです。
この滝の近くにも東屋があります。
平等嵓
登山道に突然現れる吊り橋と、谷に沿ってそびえたつ平等嵓。
あまりのスケールにしばし見入ってしまいました。
ここまで来ると、山の家まではあと少し!
桃の木山の家
「あなたがくるまでは 美しかったと 言われないように」なんかグサッとくる一言ですね。
この看板が出てきたら、もう山の家は目と鼻の先です。
吊り橋のゲートを通れば、大きな山の家が目に飛び込んできます。
吊り橋を挟んで向こう側に見える山の家を見て、ホッとする人も多いのでは無いでしょうか。
この山の家は収容人数500人で、カツカレーとお弁当のチマキが有名ですね。
ビールやジュースもありますよ。(今日はビールは飲めないけど・・・)
七ツ釜滝
山の家の脇にある通路を過ぎると、わりと急な登りになります。
数分歩くと七ツ釜滝を見ることができます。
この滝は日本百名瀑に選ばれており、7段の滝と滝つぼが連続しています。
登山道から見えるのは、そのうちの下の3段です。落差80m。
登山道には、山アジサイやヤマユリが綺麗に咲いていました。
ヤマユリの香りがとってもいい香りで、クサリ場の緊張がちょっと和らいでホッコリしました。
七ツ釜滝を過ぎてすぐに、クサリ場の途中でとても美しいエメラルドグリーンの渕があります。
透き通っているので、底を泳ぐ魚もくっきりと見えました。
崩壊地
2004年の台風21号の被害で崩壊してできた岩場を歩きます。
巨岩の間を歩きやすく道がつけてあり、赤丸のペンキを辿って歩いていきます。
しっかりと整備されているので、三点支持が必要な場所ではありませんが速やかに通過しましょう。
崩壊地の向こう側には、ゆっくりと休憩できそうな河原ができていました。
光滝
クサリ場の登山道から見られる光滝です。落差は40mほど。
裾が広がっていて滝つぼはありませんが、岩盤に当たって散る水しぶきが豪快で、しばし見入ってしまいます。
隠れ滝
吊り橋に隠れて登山道からははっきりと見えません。
落差25mで、この滝は吊り橋の上から眺めるのが良いようです。
滝の下は大きな渕となっています。、
この隠れ滝に到着した時点で、スタートから3時間45分くらいでした。
地図で確認すると、ここから堂倉滝までは30分以上かかりそうなので、無理をせずに引き返すことにしました。
次回は、山の家で一泊して、堂倉滝まで行こうと思います。
危険個所やスリリングな場所
大杉谷の登山道は断崖絶壁の横を通る箇所がほとんどで、事故が多発している個所が複数あります。
注意喚起のための看板が設置されているので、それらの個所は特に注意して一歩一歩確実に歩きたいですね。
七ツ釜滝付近のクサリ場
木が生えているけど、この下は崖。
ピンクリボンが巻かれたクサリを頼りに岩場を歩きます。
登山口からすぐの所のクサリ場
ここも、ツルっと滑って落ちたらかなり危険!
登山道には11本もの吊り橋があります。
大小さまざまで、特に揺れる吊り橋もあったりします。
おまけ
山の家近くの登山道で見つけた、「木に寄り掛かった岩」
この木には、なりたくないな。
熊との遭遇予防のために設置されている空き缶とバチ。
これを叩いてから先へ進みました。
大杉谷はヤマビルも多いがマムシも多い。
今回はヤマビルには遭遇していませんが、ヘビは3匹ほど見かけました。
それも、登山道の真ん中に居たりします。
岩場を上るときとかに手を使うので、気を付けないとガブっとやられちゃう!!
いかがでしたか?
当初の目標の堂倉滝までは行けませんでしたが、自然を十二分に堪能することができた日帰り登山でした。
大杉谷は知る人ぞ知る、近畿の秘境の地。
崖っぷちを歩くのは、とてもスリリングで、落ちたら死亡するような個所がたくさんですが、見どころも多くて自然を満喫できる素晴らしい場所でした。
次は大台ケ原から堂倉滝までの往復もいいかも!
以上、「日本三大峡谷の大杉谷を日帰り登山でチャレンジ」でした。